記事の詳細

不幸な子供

 

ある日、軍人の父親にアフリカ行きの命令がきた。それが、主人公シャーロットの不幸のはじまりだ。

以来、父の戦死、落胆してたちまちやつれ死ぬ母、ただ1人頼みの叔父は、こともあろうにレンガの落下で脳天を割られ、あっという間に孤児になるシャーロット。寄宿学校へ入れられるが、そこでもいじめられて脱走、悪人の中へ。

ところが、死んだと思われていた父が生還。あろうことかそれがさらなる不幸のきっかけになろうとは…。

 

苦労や不幸があっても、ハッピーエンドでカタルシスにもっていくのがお話の定型だとすれば、これは、ページを繰るたび不幸また不幸、不幸のどん底へまっしぐらの、型破りなお話。でも、これだけ徹底して悪いことが続くと、「ここまでやるか!」といっそ小気味よく、しまいに笑いがこみあげて、それなりに浄化もされるから不思議だ。有無を言わさずどんどん進むテンポのせいか、気品ある訳文のおかげか、それとも、私たちの心の奥に隠れていた、人の不幸を喜ぶ悪いタネが、意地悪なゴーリーに暴かれての苦笑なのか。

不幸な子供

関連記事

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PR

はらぺこあおむし ぬいぐるみ M   オイスター・ボーイの憂鬱な死/ PVCセット#2: トキシック ボーイ   どろんこハリー ぬいぐるみ(S) さる・るるる M
ページ上部へ戻る